女性型脱毛(FPHL)

「分け目が広がってきた」「地肌が目立つようになってきた」といった薄毛や抜け毛のお悩みの方、単なる加齢現象と諦めず、皮膚科専門医に一度ご相談ください。

目次

女性型脱毛症(FPHL)とは

女性の薄毛の代表は「女性型脱毛症(FPHL:Female Pattern Hair Loss)」です。以前は女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれていましたが、男性のAGAとはメカニズムが異なる部分も多いため、現在はFPHLという呼称が一般的です。

臨床的な違い

  • 男性(AGA): 生え際の後退(M字)や、つむじ部分が完全に無毛化することが多い。
  • 女性(FPHL): 前髪の生え際(フロントライン)は維持されやすく、「頭頂部から分け目にかけて全体的に密度が減る」のが特徴です。髪が一本一本細くなる「ミニチュア化」が進行します。

進行度 

薄毛の進行度「ルードヴィヒ分類」を用いて評価します。

  • I期(軽度): 頭頂部の毛髪が全体的に薄くなり、分け目が以前より少し広がったと感じる段階。
  • II期(中等度): 分け目の地肌が明らかに透けて見え、ボリューム不足でスタイリングが難しくなる段階。
  • III期(重症): 頭頂部の広範囲で地肌が露出し、毛髪が著しく減少した状態。

なぜ髪が抜けるのか?

女性の髪は、体内環境の変化を最も敏感に反映するバロメーターです。

ホルモンバランスの激変

更年期に伴うエストロゲンの減少は、髪の成長期を短縮させます。エストロゲンは髪を豊かに保つ役割があるため、その減少により相対的にテストステロンの影響が強まり、抜け毛が加速します。

栄養不足(隠れ貧血・亜鉛・ビタミンD)

血清フェリチン値(貯蔵鉄)が30ng/mL以下になると、正常な発毛が阻害されることが示されています。また、現代女性に多いビタミンD欠乏や亜鉛不足も、毛包サイクルの異常に直結します。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)

月経不順やニキビを伴う薄毛の場合、PCOSという内分泌疾患が隠れていることがあります。これはインスリン抵抗性や男性ホルモン過剰を招き、FPHLを悪化させます。


皮膚科専門医による診断

  • トリコスコピー検査:
    拡大鏡で頭皮を観察し、毛穴から出ている髪の数や太さのばらつき、毛包周囲の炎症をチェックします。

  • 網羅的な血液検査:
    • 甲状腺機能(TSH, FT4)
    • 貯蔵鉄(フェリチン)
    • 亜鉛、銅
    • 女性ホルモン、男性ホルモン
    • 血糖

治療

ミノキシジル

  • 外用薬: 5%の外用薬を1日1回塗布します。
  • 内服薬: 外用で効果が不十分な場合、低用量からを慎重に処方します。
    心血管系への影響や多毛症(顔の毛が濃くなる)などの副作用管理が必須です。

スピロノラクトン(抗アンドロゲン薬)

本来は利尿薬ですが、男性ホルモンの受容体をブロックする作用があり、更年期以降やPCOSを伴う女性の薄毛に有効性が報告されています。

パントガール 


髪の成長に不可欠なアミノ酸、パントテン酸カルシウム、ケラチン等を補い、髪の質を改善します。


キュアジェット(CureJet)による注入療法

従来のメソセラピー(注射)とは異なり、針を一切使わずに薬液を頭皮に導入する最新の治療です。

  • マイクロジェット技術:超高速ジェットにより、毛根が存在する層へ「ミノキシジル」や「ジュベルック」を均一に拡散させます。
  • メリット:出血や痛みがほとんどなく、麻酔なしでの施術が可能です。 ダウンタイムがないため、忙しい方でも気軽に受けられます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 治療を始めたら、一生続けなければいけませんか?

A. 良い状態を維持するためのメンテナンスは必要です。しかし、状態が安定すれば、薬の量を減らしたりサプリメントに切り替えたりする「維持療法」への移行が可能です。

Q. 市販のシャンプーで薄毛は治りますか?

A. シャンプーはあくまで頭皮の「清掃」であり、毛根深部の細胞を活性化させる力はありません。医学的な「治療」とは別物と考える必要があります。

未承認医薬品等に関する表示

当院の薄毛治療で使用する一部の機器・薬剤について、医薬品医療機器等法に基づき以下の情報を開示します。

  • 未承認医薬品等:キュアジェット(CUREjet)および特定の注入用成長因子(エクソソーム製剤等)、ミノキシジル内服薬は、日本国内において脱毛症治療の目的で厚生労働省の承認を得ていない未承認医療機器・医薬品です。
  • 入手経路等:当院では医師の責任において、正規の輸入代行業者等を通じて適正に導入しています。
  • 国内の承認医薬品等の有無:国内においてミノキシジル外用薬、フィナステリド内服薬等は承認されていますが、ジェット注入器や一部の先進的製剤については同様の承認品が存在しません。
  • 諸外国における安全性等に係る情報:使用する各機器・薬剤は、米国FDAや韓国KFDA等の承認を取得しているものを中心に採用し、安全性を重視しています。国内未承認のため、副作用救済制度の対象外となります。

柏の葉キャンパス・柏・流山エリアで薄毛にお悩みの皆様へ

女性の薄毛は、適切な時期に適切な医療介入を行うことで、確実に前進させることができます。「歳のせいだから」「体質だから」と諦める前に、ぜひ専門医の門を叩いてください。
当院では、医学的な発毛だけでなく、患者様の心の負担を軽減し、前向きに毎日を過ごせるようサポートすることをゴールに置いています。お気軽にご相談ください。


監修:柏の葉スキンクリニック 院長 山下千聡 (日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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