おむつかぶれ

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)は、おむつを使用する赤ちゃんの約25%〜50%が経験すると言われています。単なる「肌荒れ」と軽く考えられがちですが、放置すると皮膚が剥けて「びらん(ただれ)」が生じたり、カビの一種であるカンジダ菌が増殖したりすることで、重症化するリスクがあります。 当院では皮膚科専門医が、炎症を素早く鎮める治療と、デリケートな赤ちゃんの肌を守るためスキンケアを行ないます。

1. おむつかぶれとは

おむつ内部は、赤ちゃんの皮膚にとって非常に過酷な「閉鎖環境」にあります。以下の要因が重なることで、炎症が引き起こされます。

三大悪化要因

化学的刺激(尿・便)

尿に含まれるアンモニアや、便に含まれる消化酵素(プロテアーゼやリパーゼ)が皮膚のタンパク質を破壊し、直接的な刺激となります。特に下痢の際は、刺激が強まるため急激に悪化します。

物理的摩擦

おむつの繊維とのこすれや、汚れを落とそうとしてお尻拭きで強く拭きすぎる刺激が、皮膚バリアを傷つけます。

蒸れ(浸軟:ふやけ)

おしっこによる高温多湿状態で皮膚がふやけると、バリア機能が著しく低下し、外部刺激をより受けやすい状態になります。

2. 似ている皮膚疾患

赤みがある場合、単なる「かぶれ」なのか、カビの一種である「カンジダ菌」の増殖なのかを正しく判断することが、大切です。
カンジダ症に対して、自己判断で余っているステロイド薬を塗ると、免疫が抑制されてカビが増殖し、悪化してしまいます。治りが遅いと感じたら、必ず顕微鏡検査ができる皮膚科を受診してください。

3. おむつかぶれの保険診療

当院では、症状の重さに合わせて適切な薬剤を選択します。

1
亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)
皮膚の炎症を抑え、水気を吸い取って保護する役割があります。便や尿が直接肌に触れるのを防ぐ「バリア」として非常に有効です。
2
ステロイド外用薬
赤みや炎症が強い場合に、ごく短期間(数日〜1週間程度)使用します。赤ちゃんの皮膚は薄いため、吸収率を考慮したマイルドなランクのものを処方します。
3
白色ワセリン(プロペト)
軽度の乾燥や、治りかけの皮膚の保護に使用します。

4. 日常生活の予防とケア

  • 「こすらない」洗浄: 汚れを落とす際は、お尻拭きでゴシゴシ擦るのではなく、ぬるま湯をかけ流したり、シャワーボトルで洗い流したりするのが理想です。
  • 十分な乾燥: 新しいおむつを履かせる前に、肌を乾かしてください。湿気が残ったままでは、すぐに再発してしまいます。
  • おむつ選びの再考: 紙おむつのメーカーを変えるだけで、通気性や吸湿性の相性が良くなり、症状が改善することもあります。

5.よくあるご質問(FAQ)

Q. おしっこのときも毎回お尻拭きで拭いたほうがいいですか?

A. いいえ、おしっこだけであれば毎回拭く必要はありません。拭く回数が増えるほど摩擦ダメージが蓄積するため、汚れがひどいとき以外は、乾かすだけで十分な場合が多いです。

Q. どのくらいの期間で受診すべきですか?

A. 清潔と保護(ワセリン等)を2〜3日続けても改善しない場合や、皮膚がジュクジュクして血がにじんでいる場合は、早めに受診してください。

Q. おむつかぶれ中にお風呂に入っても大丈夫ですか?

A. はい、むしろお風呂で清潔にすることが推奨されます。ただし、お湯の温度が高いとしみる原因になるため、38〜40度程度のぬるま湯に設定しましょう。

柏の葉キャンパス・柏・流山エリアでおむつトラブルにお悩みの皆様へ

赤ちゃんのお尻の赤みは、言葉で痛みを伝えられない赤ちゃんからの重要なサインです。 「いつものことだから」と放置せず、早めに治療、予防のスキンケアを行ってあげましょう。


監修:柏の葉スキンクリニック 院長 山下千聡

(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)


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