ニキビ跡
ニキビ跡のクレーターは、ニキビの激しい炎症によって真皮層のコラーゲン線維やエラスチンが不可逆的に破壊され、皮膚の支持構造が失われた状態です。 一度形成された瘢痕は自然治癒することが難しく、市販の化粧品や通常のスキンケアでは改善の限界があります。 当院では皮膚科専門医が、クレーターの形状や赤み・色素沈着の程度から、サブシジョンやTCAクロス、キュアジェットなどを用いて適切な治療を提供します。
1. ニキビ跡の種類と病態
ニキビ跡は、その形態と原因によって大きく4つのタイプに分類されます。これらは顔の中で混在していることが多く、タイプに合わせた治療の組み合わせが重要です。
① クレーター(萎縮性瘢痕)
炎症が真皮深層に及び、組織が欠損して凹みとなった状態です。
- アイスピック型:開口部は2mm以下と小さいですが、垂直に深く突き刺さったような凹み。
- ローリング型:4mm以上の緩やかな凹み。皮膚の下で硬い繊維組織が皮膚を下に引っ張っている(癒着)ことが原因です。
- ボックス型:底が平らで、境界がはっきりした四角い凹み。

② 赤み(炎症後紅斑:PIE)
ニキビの炎症が引いた後、微細な血管が拡張・増生して残った状態です。
③ 茶色の跡(炎症後色素沈着:PIH)
炎症の刺激でメラノサイトが活性化し、メラニンが沈着した、いわゆる「シミ」に近い状態です。
④ 盛り上がり(肥厚性瘢痕・ケロイド)
フェイスラインや胸元などに多く、過剰な組織修復によって赤く硬く盛り上がった状態です。
2. クレーター(凹み)の専門治療
当院では、凹みの「原因」に直接アプローチする高度な治療を行っています。
サブシジョン
ローリング型のクレーターに対し、局所麻酔下で専用の針(カニューレ等)を皮膚の下に挿入し、皮膚を下に引き込んでいる硬い線維(癒着)を物理的に切り離します。
- 効果:引っ張られていた皮膚がその場で持ち上がり、凹みが平坦化します。
- 併用推奨:剥離したスペースに「ヒアルロン酸」や「ジュベルック・ボリューム」を注入することで、再癒着を防ぎ、コラーゲン再生を最大化します。

TCAクロス
アイスピック型や深いボックス型の凹みに対し、高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)をピンポイントで塗布します。
- 効果:あえて強力な創傷治癒反応を引き起こし、凹みの底から新しい組織の再生を促して穴を埋めていきます。
キュアジェット(CUREjet)
針を使わない空気圧による最新のドラッグデリバリーシステムです。
- マイクロサブシジョン:マッハの速度で噴射される薬液が、皮膚内部で横方向に広がり、線維の癒着を低侵襲に剥離します。
- メリット:従来のサブシジョンに比べ痛みや内出血が劇的に少なく、ジュベルック等の肌再生製剤を均一に導入できるため、広範囲のクレーターに有効です。

3. 赤み・色素沈着へのアプローチ
赤み(PIE)へのVビーム治療
血管内のヘモグロビンに反応する「Vビーム(色素レーザー)」を使用します。
- 効果:異常な血管を閉塞させ、しつこい赤みを早期に改善します。真皮のコラーゲン生成も促すため、浅い凹みの改善も期待できます。
[(Vビームのページへ)]
色素沈着(PIH)への内服・外用・ピーリング
- ピーリング:古い角質を取り除き、メラニンの排出を促進します。
- 内服・外用療法:トラネキサム酸、ビタミンCの内服や、ハイドロキノン・トレチノインの外用により、色味を薄くしていきます。
4. 「肌育」製剤:ジュベルック(Juvelook)
クレーター治療の効果を飛躍的に高めたのが、「ジュベルック」です。
- 特徴:ポリ乳酸(PDLLA)を主成分とし、注入後1〜2年かけてゆっくりと自身のコラーゲン生成を刺激し続けます。
- 安全性:粒子が丸く小さいため、従来のポリ乳酸製剤で懸念された「しこり」のリスクが極めて低いです。
当院では、ジュベルックやジュベルックボリューム(レニスナ)をキュアジェットを用いて、クレーター部に注入します。
5. 施術の経過とダウンタイム
6. よくあるご質問(FAQ)
A. 瘢痕の深さによりますが、通常1ヶ月おきに3〜5回程度の継続が目安です。 1回ごとに凹みが浅くなるのを実感いただけます。
A. サブシジョンは局所麻酔を行うため、術中の痛みはありません。 キュアジェットは針を使わないため、ゴムで弾かれる程度の軽い衝撃です。痛みに不安な方は表面麻酔の使用も可能です 。
A. はい。10年以上前のニキビ跡でも、組織を物理的に剥離したり再生を促す最新治療であれば、大幅な改善が期待できます。
7. 未承認医薬品等に関する表示
当院のニキビ跡治療で使用する一部の機器・薬剤について、以下の情報を開示します。
Q-plus キュアジェット(CUREjet)およびジュベルック(Juvelook)は、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器・医薬品です。
当院では医師の責任において、正規の輸入代行業者等を通じて韓国のメーカーより適正に導入しています。
国内において、同様の「瘢痕修正」や「コラーゲンブースター」を目的とした承認医療機器・薬剤は限られています。
ジュベルックは米国FDAや韓国KFDAの承認を取得しており、キュアジェットも韓国等で広く使用されています。国内未承認のため、副作用救済制度の対象外となります。
柏の葉キャンパス・柏・流山エリアでニキビ跡にお悩みの皆様へ
皮膚科専門医がエビデンスに基づいたデバイスと技術を駆使し、あきらめていた凹凸や赤みに真摯に向き合います。お気軽にご相談ください。
監修:柏の葉スキンクリニック 院長 山下千聡 (日本専門医機構認定 皮膚科専門医)