あざ

子どものあざ(母斑・血管腫)には、自然に消えるものと、消えにくいもの、あるいは放置すると肥厚や合併症のリスクがあるものがあります 。現在の小児皮膚科診療において、あざ治療は早期治療がスタンダードに変化しています 。赤ちゃんの皮膚は薄く、レーザーの反応が良いだけでなく、あざの面積が小さいうちに治療を開始することで、心身への負担を最小限に抑えることが可能です 。

当院では、皮膚科専門医が正確なあざの診断を行い、保険適応のレーザー機器(Vビーム、Qスイッチルビーレーザー等)を用いて、安全な治療を提供しています。

目次

赤あざ(血管腫)の種類と治療

赤あざは、皮膚の血管(毛細血管)が異常に増殖したり拡張したりすることで、血液のヘモグロビンの色が透けて赤く見える状態です。

乳児血管腫(いちご状血管腫)

生後数日から2週間程度で現れる、イチゴのように盛り上がった赤いあざです 。

  • 経過: 生後1〜3ヶ月で急速に拡大し、生後6ヶ月頃にピークを迎えます 。5〜7歳で退縮することが多いです。
  • リスク:自然退縮することもありますが、30〜70%程度(報告により幅があります)の方で、完全に消えず跡(皮膚のたるみや赤み)が残ることがあります。
  • 治療: 早期のVビーム(色素レーザー)照射が有効です 。
    乳児血管腫の増大するスピードが急となる生後1~3か月頃までは治療を開始するタイミングを逃さないためにも、1~2週間に一度程度、通院が推奨されます。

    急速に増大する場合や顔などの重要部位にある場合は、ヘマンジオルシロップ(プロプラノロール内服)による治療を検討するため、高次医療機関へご紹介します。

「自然に消える」と言われても、消失後に皮膚のたるみや瘢痕(跡)が残るリスクがあります。そのため、現在は早期の積極的な治療が推奨されています

毛細血管奇形(単純性血管腫)

生まれつきある平らな赤あざで、自然に消えることはありません 。

  • リスク: 成長とともに色が濃くなったり、皮膚が厚く盛り上がったりすることがあります 。
  • 治療: Vビームによる早期治療が有効です。皮膚が薄い乳児期から治療を始めることで、レーザーが深部まで届きやすく、高い改善率が得られます 。

サーモンパッチ・ウンナ母斑

額の中央(サーモンパッチ)や、うなじ(ウンナ母斑)に見られる薄い赤あざです。

  • 経過: 額のものは1歳半〜2歳までに自然消失することが多いですが、うなじのものは残ることがあります。
    顔の中心部に残る場合に限り、レーザー治療を検討します。

青あざの種類と治療

青あざは、皮膚の深い層(真皮)にメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が存在することで青く見えます。

異所性蒙古斑

お尻や腰以外(手足、背中、顔など)にできる蒙古斑です 。

  • 経過: 通常の蒙古斑は10歳頃までに消えますが、異所性で色が濃いものは成人後も残る可能性が高いです 。
  • 治療: Qスイッチルビーレーザーが非常に有効です 。幼少期(0〜2歳)は皮膚が薄く、より低い出力で高い効果が得られるため、この時期の治療完了を目指すのが理想的です 。

太田母斑(おおたぼはん)

顔(目の周りや頬、おでこ)の片側に出てくる青あざです 。

  • 経過: 自然に消えることはなく、思春期に色が濃くなったり広がったりする傾向があります 。
  • 治療: Qスイッチルビーレーザーが有効です 。早期のレーザー治療により、ほぼ完治に近い状態まで改善が期待できます 。

茶あざ・黒あざ

扁平母斑(へんぺいぼはん/カフェオレ斑)

生まれつき、あるいは乳幼児期に出現する茶色い平らなあざです 。

  • 治療: レーザー治療に反応する場合もありますが、反応が個人によって大きく異なります。また、再発率が高いため、専門医と相談の上でテスト照射から開始します 。

※あざの数が多い場合は、神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)などの全身疾患の精査が必要です。

先天性色素性母斑(黒あざ)

生まれつきある大きな「ほくろ」です 。

  • リスク: 直径20cmを超える巨大なものは、将来的に悪性黒色腫(メラノーマ)を発症するリスク(生涯で数%)があるため、慎重な経過観察や、手術による切除を検討します 。

なぜ「早期治療」が勧められるのか

乳幼児期からのあざ治療を推奨するのには医学的な理由があります。

  1. 皮膚が薄い
    赤ちゃんの皮膚は成人の約半分の厚さしかありません 。レーザー光がターゲットとなる血管や色素に届きやすく、少ない回数で高い効果が得られます 。

  2. 面積が小さい
    あざの面積自体が成長前で小さいため、照射時間も短く済みます 。

  3. 痛みや恐怖心の記憶
    あざ治療において最も悩ましい時期は、抵抗力が強くなる3〜6歳頃です 。物心がつく前の乳児期(記憶に残りにくい時期)に治療を完了させることで、病院嫌いや心理的ストレスを回避できます 。

  4. 合併症の予防
    血管腫の肥厚や皮膚の変形を未然に防ぎます 。

レーザー治療の流れと安全性

当院のレーザー治療は、安全性を最優先しています。

  • 診断
  • 照射: 輪ゴムで弾かれたような痛みがあるため、冷却して照射します。範囲によっては麻酔クリームや麻酔テープを使用します。照射は1~2分と短時間で終わります。
  • アフターケア: 照射後は、炎症を抑える塗り薬を塗布して終了です。照射直後は赤みやカサブタが生じますが、1〜2週間で落ち着きます。紫外線対策が非常に重要です。

費用と助成制度

当院で扱うあざのレーザーの治療は、健康保険が適用されます 。

千葉県では子どもの医療費助成制度が適用されますので、千葉県にお住まいの18歳以下の方の自己負担は0~300円となります。医療費助成制度の対象年齢や助成費は自治体によって異なりますので、詳しくはお住いの市区町村にご確認ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. レーザー治療は赤ちゃんに影響ありませんか? 

A. あざ治療に使用するレーザーは、特定のターゲット(ヘモグロビンやメラニン)にのみ反応するため、周囲の正常な組織や成長に悪影響を与えることはありません 。

Q. どのくらいの頻度で通う必要がありますか? 

A. あざの種類によりますが、通常3ヶ月に1回程度のペースで、通常5〜10回継続するのが一般的です 。

Q. 夏でも治療を始めて大丈夫ですか?

 A. 治療自体は可能ですが、レーザー後の肌は日焼けをしやすいため、屋外で活動される際は、日焼け止めや衣類による徹底した紫外線対策をお願いしています。

柏の葉キャンパス・柏・流山エリアでお子さまの「あざ」にお悩みの方へ

あざ治療は、単なる見た目の修正ではありません。お子様が自分自身の肌に自信を持ち、のびのびと健やかに成長するための治療です 。

「あの時治療しておけばよかった」と後悔しないために。柏の葉、流山おおたかの森、柏エリアで、お子様のあざに悩まれている方は、ぜひ一度当院へご相談ください。


監修:柏の葉スキンクリニック 院長 山下千聡 (日本専門医機構認定 皮膚科専門医)


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